退職代行を使おうか迷っていて、情報収集されていませんか? 退職代行のメリットは単に退職できることだけではありません。また、あまり言われていないデメリットもあり、依頼する際には事前に知っておきたいところです。
ここでは退職代行のメリットとデメリット、それからよくある疑問をまとめて紹介しています。メリット・デメリットを理解して、有効に退職代行を利用しましょう!
【おさらい】そもそも退職代行とは?
退職代行のメリットやデメリットを見る前に、退職代行とはなにか簡単におさらいしておきましょう。
退職代行とは、退職したいという依頼者の意志を依頼者の代理で会社に伝達し、スムーズに退職できるよう導くサービスです。退職代行サービス自体はかなり以前からありますが、メディアで数多く取り上げられるようになった2018年頃から、利用者が急増しています。
退職代行のメリット7つ
退職代行を利用するメリットは、単に「退職ができる」というだけではありません。ここでは、退職代行を使う7つのメリットを紹介します。
【1】しつこい引き留めにあっていてもブラック企業でも簡単に辞められる
退職の意志があるにも関わらず、以下にあげるような理由でなかなか退職できないという方も少なくはありません。
- 上司にしつこく引き留められ退職させてもらえない
- ブラック企業で、退職したいと言っても聞く耳を持ってくれない
- 職場が忙し過ぎたり上司が威圧的だったりして、とても退職を言い出せない
このようなケースでも、退職代行に依頼しさえすればストレスなく簡単に辞められるのが、退職代行を利用する最も大きなメリットと言えるでしょう。今の職場にいてストレスをためてつぶれてしまうより、一刻も早く新しいスタートを切れた方がいいことは言うまでもありません。
【2】できるだけ円満に退職できる
どうしても辞めさせてもらえないとき、会社には無言でバックレて退職する人もいます。一方的に退職届を叩きつけて辞めようとする人も少なくはないでしょう。
しかしバックレてしまうと、会社から長期の無断欠勤という扱いをされ結果的に懲戒解雇の処分を受けてしまうこともあります。退職届を叩きつける退職方法も悪くはありませんが、円満な退職とは程遠いです。残っていた有給もとりにくくなりますし、上司の怒りの電話があったり自宅に押し掛けてきたりなどのトラブルになるかもしれません。
一方、ノウハウがある退職代行業者に依頼すれば、できるだけ円満に退職まで導いてくれます。きちんと退職の意志を伝えて退職届も提出するので懲戒解雇にはまずなりませんし、あとから上司に押し掛けられるような可能性も非常に低いです。普通に退職するときと同様に、依頼する業者によっては有給も取得できます。
【3】上司や会社の人に顔を合わせる必要がない
これも大きなポイントですね。本来であれば、退職の手続きなどで上司と話をしたり会社の人事部から説明を受けたりといった手順が必要となります。しかし退職代行を使えば、これらの対応も業者が全て請け負ってくれるので、上司や会社の人と顔を合わせる必要がありません。
退職届は郵送すればすむようになりますし、品質の良い業者であれば退職後に受け取るべき書類(離職票など)についても、会社へ郵送するよう話してくれます。
【4】退職代行に依頼したあとは会社へ行く必要がない
「会社の人と顔を合わせる必要がない」というメリットにも被っていますが、退職代行に依頼すれば、基本的にその後は会社に行かずともすむように調整してくれます。
普通に退職する際は、書類の手続きや私物の引き取りなどで会社に行かなくてはならないケースも少なくありません。しかしきちんとした業者に依頼すれば、書類や私物は依頼者の自宅へ配送するよう手配してくれます。
【5】即日で退職できる可能性も高い
退職代行業者によっては、依頼した当日に代行を実施し退職までこぎつける「即日退職」を利用できる場合もあります。
正社員の場合は法律で「退職を申し出てから2週間で雇用契約を終了する」というルールがありますが、退職代行に依頼すれば、代行を実施してから2週間後の退職日まで出社しなくてよいように手配してくれるわけです。(退職日まで有給が残っていれば、有給を消費する)会社の合意をとって実質的に退職代行実施日の当日に退職できるケースも少なくありません。
【6】(業者によっては)有休取得などの手配もきちんとしてくれる
退職代行の業者によりますが、有給が余っている場合は退職日まで有給消化にあてるよう手配してくれます。
バックレて退職する際などは、もちろん有給は使えません。仮に有給がたくさん余っていたような場合には、使わないとかなりの損になってしまいますね。その点、退職代行なら、せっかくの有給を無駄にせずにすむわけです。
【7】転職サポートを無料で提供するサービスもある
業者によっては、転職エージェントと組んで無料の転職サポートを提供している場合もあります。さらに転職サポートを使って転職に成功した場合、お祝い金として数万円程度のお金がもらえるケースもあり非常にお得。転職先が決まっていないのであれば、転職サポート付きのサービスを選ぶのもよいでしょう。
退職代行のデメリット
普通に自分で会社に退職したい旨を伝え退職届を提出する場合と比べ、退職代行を依頼することにデメリットがないわけではありません。ここでは、どんなデメリットがあるかみていきましょう。
【1】お金がかかる
一般的な退職代行であればだいたい3~5万円、弁護士が対応するような料金が高めの退職代行サービスであると基本料金だけで5~6万円、さらに追加料金が発生するケースも少なくありません。自分で会社と話せばお金がかからない退職の手続きも、退職代行業者に依頼すればそれだけお金がかかります。
【2】元の会社の人に会いづらくなる
自分で退職を伝える場合と違って、退職代行を使えば会社の人と会いづらくなってしまいます。街でばったり顔を合わせることもあるかもしれませんし、同業他社へ転職すれば、仕事上の繋がりで元の会社の誰かと仕事をしなくてはならないケースもあるかもれません。
そのときに気まずい思いをすることになるのが退職代行のデメリットと言えます。退職代行を使う場合も、できるだけこういうデメリットを避けるため、気の合う同僚やお世話になった先輩などには「退職代行を使って辞めようと思う」ということを可能な範囲で伝えておくとよいかもしれません。
【3】退職代行を使うのが癖になる
退職代行は、あくまで自分で退職を言い出せないときの最終手段です。ここにあげた通り、お金を含めデメリットもありますから、自分で退職したい旨を伝えた方がいいことは言うまでもありません。
しかし退職代行を使って一度簡単に退職できてしまうと、それが癖になってしまうことがあります。次に退職する場合は、できる限り自分で対応するようにしましょう。
【4】退職代行に理解のない人から偏見を持たれる
退職代行の知名度が上がり利用者が増えているものの、まだまだ退職代行に理解のない人も多いです。そんな方に万が一、退職代行を使ったことがバレると、偏見の目でみられてしまうことになります。
ただし、通常は退職代行を使ったことがバレることはありません。退職代行業者が利用者の情報を口外したりしないためです。
【5】いい加減な業者に依頼するとかえってトラブルになる
退職代行の需要が急増している昨今では、いい加減な業者が増えているのも否めません。
昨年末あたりから、『退職代行はおいしい』と代行業者が雨後のたけのこのように林立しだした。しかし、中には怪しげな業者も多く、利用者との間でトラブルになるケースが増えている。
引用元:ダイヤモンド・オンライン
仮にいい加減な業者に依頼してしまった場合、申し込んでお金を支払ったのに何も動いてくれなかったり、退職に失敗して前より悪い状況になったりと様々なトラブルが起こりえます。
退職代行は、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
※選び方のポイントは以下の記事で紹介しています。
デメリットはあるが、ストレスをためているなら退職代行がおすすめ
紹介したようにデメリットもある退職代行ですが、何らかの事情で退職できずにいてストレスをためているようなら、退職代行を使うことをおすすめします。精神的に病んでしまったり、新しいスタートを切るのが遅くなってしまったりするより、退職代行で速やかに退職してしまった方が、ずっと良いでしょう。
退職代行を使ったことがある方の口コミや評判をみると、「もっと早く使えばよかった」と考える方が多いです。
退職代行には確かにデメリットもあるが、メリットの方が断然多い。会社を一刻も早く辞めたいのに退職できないような状態なら、退職代行を使ってすっきり次のスタートを切った方がいいね。
退職代行によくある疑問
退職代行を使いたい気持ちはあるものの、疑問があってためらっている人もいるようです。ここでは、そんな方の後押しになるよう、退職代行によくある疑問について紹介します。
退職代行が「違法」になることはまずない
弁護士以外が報酬を受け取って法律に関わる交渉ごとをするのは、「非弁行為」という違法行為に該当します。退職代行もその例外ではないので、「退職代行は違法なのか?」と考える方が少なくありません。
結論から言うと、退職代行によって違法になる可能性はほぼありません。たいていの業者は違法にならないよう、退職したいという依頼者の意志の伝言役にとどまり、交渉までは行わないからです。
とはいえ、単なる伝言役の場合は会社側が相手にしてくれない可能性も否めません。一方で、退職に関する交渉をしても非弁行為にあたらない業者もあります。くわしくは次項で説明しますね。
弁護士でなくても会社との交渉は可能(非弁行為にならない)
弁護士が行う退職代行サービスであれば非弁行為の不安がなく、会社との交渉も可能なことから、該当するタイプの退職代行の依頼を希望する人もいます。しかし前にも書いた通り、弁護士が行う退職代行は料金が高く「もう少し安いサービスはないか」探している方も少なくありません。
そこで紹介するのが労働組合型の退職代行サービスです。労働組合は労働者の代理で会社と交渉することが可能。非弁行為にもなりません。料金も一般的な退職代行サービスと変わらないので、当サイトでは労働組合型をおすすめしています。
おすすめの退職代行業者については、以下記事をご覧ください。
まとめ
退職代行を使えば、退職をしつこく引き留められたりする場合でもスムーズかつ円満に退職することが可能です。業者によっては有給取得や即日退職の手配もしてくれます。
一方で、自分で退職の意志を伝える場合と比べお金がかかったり、元の会社の人に会いづらくなったりするデメリットはあるものの、退職できずストレスをためているなら退職代行を使ってスムーズに速やかな再スタートをきった方がよいでしょう。
また、いい加減な業者に依頼してしまうと、退職に失敗する等のトラブルに発展するので、業者選びには注意して下さい。