退職時に、職場の同僚などへお菓子を配るのは面倒なものです。それなりにお金もかかりますし、一人ひとりに挨拶すれば時間もかかります。「わざわざお菓子まで買って挨拶回りしたくない」と、重い気持ちを抱えている人もいるでしょう。
結論から言うと、退職時にお菓子を配らないのは決して非常識ではありません。ここでは、その理由や、お菓子を配るか否か判断する目安を解説します。
【前提】世間的に見れば配らない人の方がむしろ多い?
退職時にお菓子を配る理由などを解説する前に、「そもそも世間的には退職時にお菓子を配るのが当たり前なのか」みていきましょう。世間はどうなのかみるにあたり、東晶貿易株式会社が行った「退職時に渡すお菓子に関するアンケート」※が参考になります。
※参照元:「退職時に渡すお菓子に関する意識調査アンケート!退職時にお菓子を配った事がある人は46%!価格相場は1000円~5000円|東晶貿易株式会社のプレスリリース」
このアンケートでは、20歳~59歳の退職経験者474人が調査対象となっています。まず、「退職時にお菓子を配ったことがあるか」という問いの回答は以下の通り
ご覧の通り、配ったことが「ある」方がむしろ少数派になっています。世間的にみれば、お菓子を配らない人の方が多いのですね。
このアンケートではお菓子を配らなかった理由についても聞いています。その結果は、以下の通りです。
「面倒くさかった」「お金がかかる」「職場が嫌い」など、「分かる!分かる!」という方が多いのではないでしょうか。
職場にお菓子を配るか配らないか迷ったとき、こういう世間的な標準は参考になりますね。
退職時にお菓子を配る理由
退職時にお菓子を配らない方がむしろ多数派なのに、退職時にお菓子を配ることがあるのはなぜでしょうか。その理由は人や会社によって違うかもしれませんが、ここではよくある理由をみていきましょう。
感謝の気持ちを伝えるため
職場の人間関係がよいときは、感謝の気持ちを伝えるためお菓子を配ることもあるでしょう。こういった職場なら、特にお菓子を配るのも苦にはならないかもしれませんね。
ちなみに著者自身も、比較的仲が良かった職場では一言二言挨拶しながらお菓子を配ったこともあります。挨拶した相手それぞれに思い出もありましたので、お菓子を配るのが嫌ということはありませんでした。
ただ繰り返すように、これは職場で良好な人間関係が築けていた場合ですね。
仲の良い職場なら、退職の挨拶をするときにお菓子を配るのも全然嫌ではないよね。
お菓子を配る慣習が会社にあるため
こっちの理由で「仕方なく」お菓子を配る方の方が多いかもしれませんね。自分では特にお菓子を買いたくもないのに「他の人も配っているから」ということで、仕方なく慣習通りにする人も多いでしょう。そういった会社では、あなたと同じように思っている方も少なくない筈です。
著者も勤めていた会社の人間関係があまり良くなかったときに、同じ経験をしたことがあります。他の人は退職時にお菓子を配っていたため、自分も真似すべきか迷いました。
ただ、「面倒だからいいや」と思い、結局お菓子を配りませんでした。そのことで周りがどう思ったかは分かりませんが、逆に嫌味を言われることもなかったです。その会社の人とは特に今付き合いはなく、配らなかったことに後悔もしていません。
お菓子を配るのは、特に義務ではないです。そもそも配らない人が多いことからもわかるように、別に配らないからといって「マナーがなってない」とも言えません。なので、退職するときにお菓子を配る人が多いからといって、あなたが真似する必要はないです。
簡単にお菓子配りをすませる方法もある
退職時にお菓子を配る習が職場にあって、自分だけ配らないのは不安と感じる方もいるかもしれません。そういった方には、お菓子配りを簡単にすませる方法も検討するとよいでしょう。
以前勤めていた会社では、退職する方が共有スペースにお菓子をおいて、自由にとってもらうようにしていることもありました。メールなどで退職の挨拶をする際、「休憩室にお菓子をおいておくので自由にお取りください」と書けば、職場の人に知らせることもできます。
なかには、「うまい棒」を大量に買い込んで休憩室に残して辞めた方もいました。個人的には「うまい棒」が好きだったので、うれしかったのを覚えています。
こんな風に、挨拶回りをせずにお菓子だけ配る方法もあるので、検討してみてください。
退職時にお菓子を配らない理由
世間的にみれば、お菓子を配らない職場も多いようです。それでは、そういった会社ではなぜ退職時にお菓子を配らないのでしょうか? 以下、主に考えられる理由を紹介します。
そもそもお菓子を配る慣習が会社にない(配らない人も多い
退職時にお菓子を配ると言う慣習が、そもそも会社になければ配る必要もないですね。そういった会社も決して少なくないでしょう。
会社の人とそんなに親しくない
在籍期間が短かったり、仕事の性質上、同じ会社の人でもあまり連携することがなかったりすることもあります。その結果、会社の人とそんなに親しくないのであれば、無理にお菓子を配る必要もありません。関係性がないのに配られたら、もらった方もビックリするかもしれませんね。
【まとめ】退職時にお菓子を配らないといけない義務はない
退職時にお菓子を配る慣習が残っている会社もありますが、特にその慣習に従う必要はありません。配らないからと言って、マナー違反にもなりません。
もちろん会社の人と仲が良く、挨拶がてらお菓子を渡したい – ということなら配ってもよいでしょう。また共有スペースに安いお菓子を残して挨拶回りを省略する、という方法もあります。
それも面倒でする必要がないと感じたら、無理にお菓子を配る必要はありません。