正社員がバックレて退職する場合に考えられる8つのデメリット

退職全般

退職したいけれど、会社に辞めたいといえる雰囲気でない、しつこい引き留めに合っているといった理由で、正社員という立場の方でもバックレて退職しようと考える方は少なくありません。

しかしデメリットが非常に多いことから、正社員がバックレて退職するのはとどまるべきです。ここではバックレて退職する場合に考えられる8つのデメリットを解説します。

正社員がバックレて退職するとどんなデメリットがある?

正社員という責任のある立場で、バックレて退職するべきではありません。何も言わずに会社へ行かなくてすむのは楽かもしれませんが、デメリットが多過ぎるからです。

以下、正社員がバックレて退職することで考えられる8つのデメリットを紹介します。

【その1】懲戒解雇(クビ)の扱いを受ける可能性がある

懲戒解雇(クビ)は、会社が社員に与える処罰の中で最も重いものです。業務上の横領であるとか、会社のイメージを大きく傷つけるような犯罪をおかすとか、余程のことをしない限り本来懲戒解雇の扱いにはなりません。

しかしバックレて無断欠勤の期間が長期間(一般的には2週間以上)続くと、会社はその社員を懲戒解雇することができるようなります。温情のある会社なら、自己都合の退職扱いにしてすませてくれる可能性も高いですが、こちらが一方的に欠勤を続けている限り、その期待もできません。

【その2】転職が不利となる恐れがある

懲戒解雇を受けることの、最も大きなデメリットが転職です。転職面接では、たいてい前の会社を退職した理由を聞かれます。質問に対して「懲戒解雇された」と正直に答えないと経歴詐称になってしまいます。

そうして懲戒解雇をされたことを知られれば、当然ながら転職先はあなたに不信を抱くことになるでしょう。「それ程のことをしたのか」とあなたの評価が落ちるのは必然。転職が不利になってしまうわけです。

仮にウソをついても、必ずしもバレるわけではありません。ただし転職先から離職票や退職証明書の提出を求められる場合があり、それら書類には懲戒解雇の事実が記載されています。また転職を希望した先の会社が、バックレて退職した会社に連絡をとらないとも限りません。

つまり仮にウソをついても、その後は「いつバレるか」と心のどこかで心配をしなくてはならなくなり、もし後からバレると経歴詐称で今度はその転職先からも懲戒解雇の処分を受けてしまう可能性があるのです。不利になる可能性はあるものの、転職時には「懲戒解雇された」ことを正直に話した方がよいでしょう。

【その3】今後、同業で働きにくくなる

バックレて辞めた会社と同業の仕事を続けていれば、何がしかのきっかけで元の会社と取引等の接点が生まれないとも限りません。同業他社が集まるイベント等で、顔をあわせる可能性もあります。また同業なら、元の会社の社員だった人があなたの現在の勤め先に転職してくる可能性だって否定できません。

そうなると、あなたが働きづらくなるのは否めないでしょう。仮にあなたが懲戒解雇されたことを隠していたような場合、そういった接点が生まれることによってバレる可能性だってあります。

【その4】有給は使えない

普通の手続きを経て会社を辞めていれば、残っていた有給を使うことができます。

けれどバックレて退職してしまった場合には、当然ながら使える筈だった有給が消滅することになります。仮に有給が多く残っていたとすれば、まとまった金額を損してしまっていることになるわけです。

有給が使えない、というのは現実的にみて非常に大きなデメリットの1つと言えるでしょう。

【その5】退職金を受け取れない可能性がある

正社員である程度の期間、同じ会社に勤めていれば退職金が出る可能性があります。本来、退職金は社員が会社に余程の迷惑をかけない限り支払われるものです。

退職金の支給基準において、一定の事由がある場合に退職金の減額や不支給を定めることは認められますが、賃金の後払い的性格及び功労報償的性格を考慮すれば、労働者のそれまでの功績を失わせるほどの重大な背信行為がある場合などに限られます。

参照元:確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省

しかしバックレて退職し、無断欠勤が長期間続いていたとして懲戒解雇の扱いを受けてしまうと、退職金が支払われない可能性が高くなります。

この場合、会社の就業規則等で定められている、退職金不支給の条件に抵触しているためです。(前述の通り、会社の温情で自己都合退職扱いにして退職金を支払ってくれるケースもあります。)

バックレて退職する前までは、真面目にその会社で仕事をして功績も上げていたのなら、裁判に訴えれば退職金の支給が認められる可能性もゼロではありません。でもバックレて辞めた会社を、裁判に訴えるというのは現実的ではないですね…。

退職金はかなりまとまった額になる可能性もありますから、もし受け取れないとなると、かなりの損失をこうむることになります。

【その6】緊急連絡先に連絡される可能性がある

もしものことがあったときの緊急連絡先を入社時に登録しているケースも多いでしょう。仮にバックレて無断欠勤が続いた場合、「事故か何かあったのか?」と会社側が心配して緊急連絡先に登録されている実家の電話番号などに連絡する可能性があります。

そうすると、実家などに無断欠勤を続けていることがバレてしまうわけです。あなたはバックレて退職しようとしていることを家族に説明しなくてはならなくなります。

【その7】街中で元の会社の同僚と出くわしたときに気まずい思いをする

これもよくあるケースですね。同じ会社に勤めていたぐらいですから、生活圏が近い同僚も少なくはないでしょう。特に買い物や食事で繁華街などに出掛ける際は、同僚とばったり出くわす可能性も高くなります。

そんなとき、バックレて無断欠勤していた場合は、相手に合わせる顔がなく気まずい思いをすることになるでしょう。相手が気を遣って「どうしてるの?」なんて声をかけてくれると、余計に答えづらくなるかもしれません。

【その8】後ろめたい思いをすることになる

これが、現実的には一番よくあるデメリットですかね。会社に何も言わずバックレて退職すれば、その後ろめたさは長く心に残るものです。そのことを思い出す度に嫌な気持ちになります。そんな思いをしなくてもすむように、バックレて退職するのは避けたいものです。

正社員がバックレ退職したときのその他の疑問

デメリットであげた内容以外でも、バックレて退職したときに不安に感じていることもあるでしよう。ここでは、その中でもよくある疑問について答えます。

給料は支払われる筈だが、万が一支払われない場合は交渉が必要

バックレて退職してしまった場合に、その月の途中まで働いていた分の給料がきちんと支払われるか不安に思う方もいます。

まず結論から言うと、バックレたからといっても、会社としては給料を支払わないということはできません。社員が働いた分の給与をきちんと支払わないと、労働基準法上の違反となってしまいます。バックレての退職が、給料を支払わないでよいという理由にはならないのです。

ただし万が一支払われていない場合、あなたから会社に支払うよう交渉を持ち掛けないといけません。バックレて退職している – という後ろめたさがある状態で、会社に「給料は支払ってください!」と交渉するのは難しいですよね…。

訴えられてしまう可能性は低い

バックレて退職することによって、会社から損害賠償などの請求をされないか心配される方もいるようです。

はじめに結論から言うと余程のことがない限り、損害賠償の請求などされることはないと考えてよいでしょう。仮に訴えても裁判所で賠償が認められる可能性が低く、裁判費用が無駄になってしまうためです。裁判のためにかける手間もバカにはなりません。

一方、あなたが突然辞めたことで大きな取引が1つダメになってしまったとか、実質的な損害が生じているのであれば、損害賠償請求される可能性は高くなります。気を付けてください。

【まとめ】正社員は特にバックレての退職は避けるべき

紹介したように、正社員がバックレて退職することのデメリットは非常に多いです。有給休暇が使えない、退職金がもらえない可能性がある、転職に不利になる可能性があるといった実質的なデメリットから、後ろめたい思いをずっと引きずることになるといった心理的なデメリットまでさまざま。

このようなデメリットを考えるなら、正社員は決してバックレて退職するべきではありません。どうしても退職をしたいときには、少なくとも退職届を郵送するなどして退職の意志を示すだけでもするべきです。たとえば退職しようと考えている日に会社のデスクに退職届を置いて帰るとか、退職届を郵送するだけでもよいです。それだけでも多くのデメリットをなくすことができます。

そうではなく会社に退職することをきちんと認めさせたい場合、有給を取得したい場合は、退職代行を使って自分の代わりに業者に調整してもらう方法もあります。退職代行なら、申し込んですぐ対応してもらい、会社の人と顔を合わせず退職することも可能です。

評判の良いおすすめの退職代行業者を以下記事で紹介しているので、気になる方はあわせて参考にしてください。

評判のよいおすすめの退職代行サービス3選【独自アンケートの結果を集計】
当サイトが独自で集めた総勢72名の退職代行サービス利用者様の体験談をもとに、特に評判の良かった3サービスをランキング形式で紹介します! ここで紹介する3サービスは、どれも信頼性の高いサービスなので、このページを参考に選んでいただければ間違いありません!
おすすめの退職代行サービスランキング
退職代行SARABA

会社との交渉が可能な労働組合型の退職代行サービス。人気も実績も抜群で、メディアでも多数紹介されている。料金は24,000円だけで追加料金もなし。ユーザーからの評価も高い。

男の退職代行

対象を男性に限定したユニークなタイプの退職代行サービス。労働組合が運営し、なおかつ「日本退職代行協会」による認定資格「JRAA」を取得している非常に信頼性の高い業者。料金は、正社員 26,800円 /アルバイト・パート 19,800円。

わたしNEXT<女性の退職代行>

女性専用というユニークなタイプの退職代行サービス。女性向けに作られたサービスなので、退職にまつわる女性特有の悩みを丁寧にケアしてくれるのが強み。希望すれば女性スタッフが対応してくれる。料金は、正社員 26,800円 /アルバイト・パート 19,800円。

退職全般
スポンサーリンク
退職代行の先輩
タイトルとURLをコピーしました