【図解】退職代行の仕組みと基本をわかりやすく解説

退職代行

退職代行とは依頼者がスムーズに退職できるよう、業者が代わりに会社へ連絡して調整してくれるサービスです。昨今、多くの人が退職代行を利用しています。この記事では退職代行の仕組みを図解形式で解説します。

退職代行の仕組み

退職代行の仕組み

上記は退職代行の仕組みをまとめたイメージです。

退職代行では業者が依頼者に代わって会社へ連絡し、依頼者が退職できるよう調整・交渉します。会社に対しては「直接連絡しないように」伝えてくれるため、通常、依頼者は会社と話す必要がありません。これまでいろいろな事情で退職できず苦しんでいた依頼者も、退職代行を使えばノーストレスで会社を辞められるわけです。

くわえて退職代行では、会社に退職を認めさせる以外にも以下にあげる調整・交渉をしてくれます。

  • 退職日の決定
  • あまっている有給の消化
  • 会社に残してある私物を郵送で返却するよう調整
  • 退職に必要な書類を送るよう会社へ連絡

退職代行業者は3つのタイプに分類できる

退職代行業者は「どんな担当者が会社へ連絡するか」で以下3つのタイプに分類できます。

タイプ 概要 料金相場
弁護士型
  • 弁護士が会社へ連絡するタイプ
  • 会社と法律に関わる交渉が可能
  • 3つのタイプで最も交渉力が高い
  • 3つのタイプで料金が最も高い
基本料金だけで5~7万円。
さらに各種追加料金あり。
労働組合型
  • 労働組合が会社へ連絡するタイプ
  • 会社との交渉が可能
  • 料金は一般型と同程度
3~5万円前後
※追加料金なし
一般型
  • 弁護士型でも労働組合型でもないタイプ
  • 会社との交渉はできない(依頼者の希望を「伝言」するのみ)
  • 弁護士型より料金は安い
3~5万円前後
※追加料金なし

法律に関わる交渉を報酬目的で行うことを法律で許可されているのは、弁護士のような法律の専門家のみです。一方、労働組合については労働者の代理であれば、会社と交渉することが法律で認められています。

言い換えると、退職代行においても弁護士や労働組合でなければ会社と交渉ができないわけです。弁護士や労働組合でない「一般型」の退職代行は、依頼者の意志を会社へ伝えることしかできません。そのため交渉力が最も低く、退職や有給取得の成功率が最も低くなります。

一方、「弁護士型」であれば会社との交渉が可能な上に、未払いとなっている賃金・残業代の支払い交渉などもしてくれます。その代わり、最も料金が高いのがネックです。

「労働組合型」は、一般型と弁護士型の中間に位置すると言うと分かりやすいでしょうか。会社との交渉が可能な上に、料金は一般型と同程度に安いためコストパフォーマンスが最も高いです。ただし弁護士型より交渉力は低く、たとえば未払い賃金・残業代の請求まで必要なら弁護士型の方が適しています。

退職代行の業者を選ぶ際は、希望や予算にあわせて最も適切なタイプを選ぶとよいでしょう。

先輩
先輩

とにかく安さを重視するなら一般型。コストパフォーマンスが高くてバランスがとれているのは労働組合型。未払い賃金の支払いを求める場合など複雑な交渉が必要なようであれば弁護士型が良い、という感じだね。

退職代行で知っておきたい。「即日退職」の仕組み。

退職代行を依頼するときに、よく選ばれる退職の方法が「即日退職」です。即日退職を使えば単に退職できるだけでなく、退職代行を依頼した日から会社へ出勤する必要がなくなります。

退職代行が申込日当日に会社へ連絡し、依頼者の退職を調整してくれるわけです。

ただし「即日退職=依頼日が退職日になる」というわけではありません。退職日は、以下のように調整されます。

つまり退職日は数日後となり、退職日までは有給をあてるか欠勤扱いにするわけです。法律では、正社員は2週間前に申し出れば退職が可能とされています。

会社が了承してくれさえすれば2週間より前に退職することも可能ですが、場合によっては退職日が2週間後になることもあるのです。とはいえ退職日が仮に2週間後になっても、その日までは有給をあてるか欠勤扱いにします。文字通り即日で退職できるわけではないものの、少なくとも退職日まで会社へ出勤しないでよいようにするわけです。

先輩
先輩

今すぐ会社を辞めたい人は、即日退職を選ぶとよいね。

退職代行を使う際の流れ

退職代行が行われる流れは業者によって細かい違いはありますが、おおよそ共通しています。流れ自体は、非常にシンプルなのでそれ程手間もかからないでしょう。

具体的には以下の通りです。

①無料相談・ヒアリング

退職代行でまず行われるのが無料相談・ヒアリングです。依頼者が業者へ連絡をすると、まず業者から簡単なヒアリングが行われ、退職代行が可能かチェックします。分からないことがあれば、このタイミングで聞いておきましょう。

②申し込み・入金

業者が退職代行できると判定し、依頼者がサービス内容に納得したらいよいよ申し込みです。業者の指示に従い申込や支払い手続きを行います。支払方法は銀行振込かクレジットカード払いが多いです。

③打ち合わせ

料金の支払い後、退職代行に必要な事項を整理する打ち合わせが行われます。打ち合わせといってもLINEやメール、電話で行われるので、業者のオフィスにいくなどの必要はありません。有給取得や有給取得や会社に置いてある私物の処理などについて認識をあわせます。

④退職代行の実行

打ち合わせまですめば、いよいよ退職代行が実行されます。依頼者は待つだけです。

⑤結果報告

退職代行を実行した結果が報告されます。通常はこれで退職が決まり、あとは退職届を会社へ郵送するのみです。

退職代行を使うときの注意点

退職代行を使った際に最もよくあるトラブルの1つが、会社の上司などが怒って電話してくるようなケースです。業者は依頼者へ直接連絡しないように伝えてくれますが、それで相手の行動を完全に縛れるわけではありません。

結果、業者の指示を守らず上司などから連絡してくることがあるのです。とはいえ、退職は決まっているのですから、上司と話をしたくなければ無視してかまいません。

また、業者によって退職代行の品質に大きな差があるので注意しましょう。退職代行を扱う業者が多い分、なかにはいい加減な業者が存在する件は注意しなくてはなりません。

『退職代行はおいしい』と代行業者が雨後のたけのこのように林立しだした。しかし、中には怪しげな業者も多く、利用者との間でトラブルになるケースが増えている。特に聞くのは、業者に依頼したのに円満に退職することができず、結果として“飛んだ”状態になってしまい、逆に会社側から損害賠償請求の訴えを起こされるなどのケース。

参照元:DIAMOND online

いい加減な業者にあたってしまうと、退職に失敗するなどのトラブルになる可能性が高くなります。お金を支払ったあとに、業者との連絡が取れなくなるといった最悪のケースも少なくありません。

退職代行を使う際は、実績があって信頼のおける業者を選ぶのがおすすめです。以下記事では、なかでもおすすめを紹介しているので、興味があればあわせてご覧ください。

<退職代行のおすすめ10選>徹底比較・ランキング
いざ退職代行を使おうとしても、業者やサービスの多さに驚く人は少なくないのではないでしょうか。この記事では、その中でも実績と人気があって安心して任せられる定番を10つ厳選して紹介します。業者選びに迷っている方は、この中から選ぶのがおすすめです。

退職代行を使うメリット

日本労働調査組合が行ったアンケート調査※によれば、20~39歳の44.7%が「退職代行の利用を検討している※」とのこと。自分で会社と交渉する場合に比べ、わざわざお金を払って退職代行を使って会社を辞めるメリットは少なくありません。お金を払う価値があるので、多くの人が使っているのですね。

※参照元:「退職代行サービスに関するアンケート」(2021年5月19日発表)

以下、主なメリットをあげてみます。

  • 退職代行を依頼したあとから、会社へ行く必要がない
  • 会社や上司の人と顔をあわせず退職の手続きをすませられる(必要なことは業者が代理で会社に調整してくれる)
  • 会社からのしつこい引き留めにあうのを避けられる
  • 会社から退職を拒否されていても、退職代行を使えばあっさり辞められる
  • 有給取得など自分では言いにくい手続きも業者が行ってくれる

退職したいと言える雰囲気でなかったり、会社から強引に退職を引き留められていたりする際は、退職代行の利用を検討するとよいでしょう。

まとめ

退職代行では、業者が依頼者に代わって会社へ電話などで連絡し、依頼者が円満に退職できるように調整・交渉します。退職代行によって有給を取得することも可能です。

ここ数年、退職代行のニーズが急増しており、いい加減な業者も多く登場しているので注意しなくてはなりません。いい加減な業者に依頼すると失敗の可能性が高くなる上に、「お金だけとられて代行を中止された」なんてことも起こりえます。退職代行を使う際は、実績があって信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

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