上司に退職を無理矢理引き留められているなどで、退職代行の利用を検討している方も少なくないでしょう。けれど会社を辞めるか否かはあなたの人生に大きな影響があることですから、途中で思い直したらキャンセルできるかは気になるところですね。
また退職代行の費用は決して安くないので、キャンセルした場合の返金やキャンセル料金がかかるか否かも知っておきたいところです。この記事では、退職代行を利用する際のキャンセルや返金の可否、キャンセル料金について解説しています。
退職代行のキャンセル自体は可能
退職代行を申し込んだものの、「やっぱり使いたくない」と思ったときは、業者に連絡しさえすればキャンセル可能です。業者は指示に従って対応を中止してくれます。
ただ、ここで気になるのは「支払った料金がどうなるか」ですね。退職代行は基本的に、料金を支払うことで申込手続きが完了します。つまり「申込がすんでいる」ということは、料金を支払い済ということになるのです。支払った料金の返金やキャンセル料については後述します。
タイミングがズレると、キャンセルが間に合わないことも…
退職代行のキャンセルで気を付ける必要があるのが「キャンセルが間に合わない可能性もある」ということです。料金の支払いがすみ申込手続きが完了すると、すぐに会社へ連絡するといったフットワークの軽い業者も少なくありません。
そのためキャンセルの手続きがちょっとでも遅れると、すでに会社へ連絡して退職を了承してもらっている – なんてこともあり得るのです。申し込み後にキャンセルしたくなったら、なるべく早めに業者へ連絡するようにしましょう。
キャンセル時の返金・キャンセル料の支払いはどうなる?
退職代行をキャンセルしたときに、支払った料金はどうなるか、キャンセル料がかからないかは気になるところですね。仕事を辞めて転職するまで収入が途絶えるわけですから、お金はできるだけ節約したいものです。
ここでは退職代行キャンセル時の返金やキャンセル料の支払いについて解説します。
申込後(支払い後)に自己都合でキャンセルしても返金はほぼ不可
まず退職代行を申し込み料金も支払ったあとに、自分の都合でキャンセルする際はまず返金はしてもらえません。退職代行業者の利用規約には、実際返金しない旨の記載をしていることが多いです。
以下、参考までに大手退職代行業者の例を紹介します。
<退職代行SARABA/利用規約抜粋>
当社又は退職代行ユニオンが以下の各号のいずれかに該当するとみなした場合、返金保証サービスは適用されないものとします。
(1)利用ユーザーが退職する会社へ退職届などの退職に必要な書類または物品を提出しないとき
(2)当社又は退職代行ユニオンが連絡しても、利用ユーザーと3日間(72時間)以上連絡がとれない状況が一時的でもあった場合
(3)利用ユーザーが本規約に違反したと当社又は退職代行ユニオンがみなしたとき
(4)利用ユーザーの判断によって退職をしなかったとき、または退職代行サービス実施前および実施後で、退職代行サービスの利用を中断もしくは終了したとき
参照元:退職代行SARABA公式サイト
「ユーザーの判断で退職しない」など、ユーザー側の原因でキャンセル扱いになったときは返金しないと明示しています。
<男の退職代行/利用規約抜粋>
退職代行サービスを利用し、利用ユーザーが退職できなかった場合、当社の判断により返金保証サービスを提供することがあります。
(4)利用ユーザーの判断によって退職をしなかったとき、または退職代行サービス実施前および実施後で、退職代行サービスの利用を中断もしくは終了したとき
(5)退職に至らなかった原因が当社又は退職代行ユニオンの責めに帰すべき事由ではないと当社又は退職代行ユニオンが判断した場合及び、利用ユーザーと勤め先との契約が業務委託や請負契約などの雇用契約以外であった場合
予約及び申込の取消を行った場合、以下のキャンセル料金が発生いたします。
①実施希望日61日前まで:決済手数料10%および振込み手数料
②実施希望日60日前から46日前まで:30% + 決済手数料10%および振込み手数料
③実施希望日45日前から31日前まで:50% + 決済手数料10%および振込み手数料
④実施希望日30日前から15日前まで:70% + 決済手数料10%および振込み手数料
⑤実施希望日の14日前から当日まで:100%
参照元:男の退職代行 公式サイト
「男の退職代行」の場合も、ユーザーの判断で退職しなかったとき、業者側の原因で退職できなかったときは返金しないとしています。
また「男の退職代行」ではキャンセル料についても触れている点が特徴的です。具体的には実施希望日(会社に連絡してもらう日)前からの日数で、キャンセル料が決まります。ただ、実際は実施希望日を14日後以上先に設定することはないと想定されるので、全額(100%)返金されないと考えた方がよいですね。
自己都合でないキャンセルなら返金の可能性はある
退職代行を実行したにも関わらず、退職できなかった場合の全額返金保証を用意している業者もあります。こういった業者であれば、業者都合で退職できなかったときにはキャンセルしても返金してもらえる可能性が高いです。
参考までに、改めて退職代行SARABAの規約をみてみましょう。退職代行SARABAには全額返金保証があります。
<男性の退職代行/利用規約抜粋>
退職代行サービスを利用し、利用ユーザーが退職できなかった場合、当社の判断により返金保証サービスを提供することがあります。
参照元:退職代行SARABA公式サイト
ご覧のように、規約では退職できなかったときの返金について触れています。保証を設けている業者なら、万が一業者が会社に連絡しても退職できないときは、サービスをキャンセルしても返金してもらえるわけです。
申込前(支払い前)のキャンセルであれば、キャンセル料はかからない?
一般的に退職代行は、無料相談でサービス内容を詳しく聞いた上で、納得したら申込や支払いの手続きをします。そのため無料相談の時点で申し込みに至らなかった(料金を支払う前だった)場合は、キャンセル料が発生することはありません。
そのため退職代行に興味がある場合は、まず無料相談を申し込んでいろいろ分からないことを聞いてみるとよいでしょう。
※
退職代行のニーズが高まっているのに伴い、退職代行を行う業者が増えている状況です。中にはいい加減な業者も少なくはなく、トラブルの声も多く聞かれるので業者選びには注意しましょう。(なかには、無料相談の段階でキャンセルしたのに「キャンセル料金を請求された」なんて声もあります。)
その点、以下記事で紹介しているような大手であればトラブルはなく、安心して申し込めますよ!
まとめ
退職代行はサービス申し込み後でも、途中でキャンセルすることが可能です。ただし料金支払い後は、業者がすぐに会社へ連絡し退職代行が実行される可能性もあります。キャンセルするならできるだけ早く連絡するようにしましょう。
なお退職代行を申し込んで、料金を支払ったあとは仮にキャンセルしても返金が認められない可能性が高いです。そのため無料相談の段階で「本当に申し込むか」よく考えた上で、申し込むようにしましょう。