アルバイト・パートの方が仕事を辞めたくても、職場がブラックでしつこい引き留めにあっていたり、上司や先輩が高圧的で退職を言い出しにくかったりすることもあるでしょう。実際、そういった理由で退職代行を使うアルバイト・パートの方も少なくはありません。
ただし正しい選び方を知らないと失敗したり、必要のない高いお金を支払うことになったりして、あとから後悔することになります。
この記事では、アルバイト・パートの方がどうすれば適切な退職代行サービスを選べるか解説します。
アルバイト・パートが退職代行をえらぶときのポイント
退職代行サービスは、最近使う人が増えたこともあって、いろんな業者が進出しています。
そんななかで選び方のポイントを知らないと、自分にあったコスパのよいサービスを探すのは簡単ではありません。ここでは、どんな風にえらぶとよいか解説します。
メディアでの紹介も多い名の知れた安全なサービスをえらぶ
ここ数年、退職代行サービスは需要が増えている上にメディアで注目されるケースも多く、それに伴ってたくさんの会社がサービスを立ち上げているような状態です。
退職代行自体、サービスを開始するのに何の資格もいらないことから、中にはかなりいい加減な業者も多く入り込んでおり、トラブルが頻発しています。
昨年末あたりから、『退職代行はおいしい』と代行業者が雨後のたけのこのように林立しだした。しかし、中には怪しげな業者も多く、利用者との間でトラブルになるケースが増えている。
引用元:ダイヤモンド・オンライン
こういった業者を避ける最も確実な方法は、以前からサービスを提供している名の知れた業者をえらぶことです。
「そんなこと言っても、退職代行サービスを使うの初めてだから、どれが『名の知れた』サービスなのか分からないよ」という方もいるでしょう。
ご安心ください。見分け方は簡単です。公式サイトで、メディアの紹介実績をチェックするようにしてみてください。
あなたも名前を知っているような有名なメディアでの紹介実績が記載されていれば、「名の知れた」サービスであることは分かります。
メディアの紹介実績は、ウソならすぐにバレるので、公式サイトに掲載されている情報は信頼性が高いです。
「労働組合型」の退職代行をえらぶ
退職代行のサービスには、法律的な交渉が可能な弁護士型の他に、一般型・労働組合型の3種類があります。弁護士型は信頼性が高く頼りになりますが、一般型・労働組合型と比べ料金が倍以上になることも多いです。
たいして一般型は料金が安いものの、退職の交渉を行うと非弁という違法行為になってしまうため、あなたが辞めたいという伝言しかできません。それでも退職できないわけではないのですが、弁護士型に比べ成功率が低くなってしまいます。
そこで、当サイトでおすすめしているのは「労働組合型」です。労働組合型では、あなたの代理として業者が運営する労働組合が退職の交渉にあたってくれます。
一般型と違い、労働組合は労働者の代理で会社と交渉する権利があるため違法にはあたりません。その上、料金については一般型と同等で、最もコストパフォーマンスが高い種類と言えます。
その業者が労働組合型か否かは、公式サイトに掲載されているのでチェックするようにしてみてください。
アルバイト・パート向けに料金を安くしている業者をえらぶ
業者の中には、正社員・派遣社員と比べてアルバイト・パートの方の退職代行サービスの料金を安くしているところもあります。
1万円程度も安くしているケースもあり、アルバイト・パートの方ならそういったサービスを選ぶのがおすすめです。
アルバイト・パートの方の退職代行を安くしているのは、退職代行の交渉や対応が、正社員の場合と比べて手間がかからないためです。
会社の立場にたってみて、正社員とアルバイト・パートのどちらに辞められたら困るか、どちらをより強く引き留めたいかは言うまでもないですよね。
さらに書類上の手続き等も正社員の方が手間がかかるため、アルバイト・パートはその手間がかからない分、安くしてくれているわけです。
アルバイト・パート向けのおすすめ退職代行サービスは?
退職代行サービスの選び方を解説しましたが、「自分で探すのは面倒」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは、紹介した条件にぴったりあう、おすすめの退職代行サービスを厳選して2つ紹介します!
■男の退職代行
男性限定のユニークなタイプの退職代行サービスです。男性ならではの退職の悩みに細やかに向き合ってサービス提供してくれます。
男の退職代行は、退職代行のなかでは老舗のサービスで、全国紙や有名ネットニュースでの紹介も多数。労働組合型なので会社側との交渉も可能で信頼性が高いサービスです。
さらに通常の料金は26,800円のところ、アルバイト・パートの方の場合は1万円安い19,800円となっています。アルバイト・パートの方向けに、特におすすめできるサービスです。
<男の退職代行の体験談>
担当の方がすごく親切で、丁寧に対応してくれました。今後また退職代行を使う機会があったら「男の退職代行」を使いたいと思います。
【30代男性】
■わたしNEXT<女性の退職代行>
「男の退職代行」と同じ業者が行っている女性限定の退職代行サービスです。女性の退職にまつわるデリケートな悩みも丁寧にケアしながら退職代行を行ってくれます。
こちらも退職代行業者のなかでは老舗であり、全国紙・女性誌・有名ネットニュース等でのメディア紹介実績が豊富です。料金についてもアルバイト・パートの方は19,800円と安く設定されています。
<わたしNEXTの体験談>
職場の人間関係がうまくいかず会社を辞めたかったものの、ずっと言い出せず精神的に参っていました。そんなときに、こちらのサービスを利用して退職できました。精神的にも救われ、感謝の気持ちでいっぱいです。
【20代女性】
退職代行を使うメリットとは?
それでは、アルバイト・パートの方が退職代行を使うとどんなメリットがあるのでしょうか。簡単に振り返っておきましょう。
より確実にアルバイト・パートを辞められる
自分で交渉するとしつこい引き留めに合う可能性があります。また職場の上司や店長が高圧的であった場合は、あなたが辞めたいということで感情的になってくるかもしれません。
その点、信頼できる業者に依頼すれば相手がいくら高圧的であっても、淡々と退職の交渉を行ってくれるので、スムーズに退職することができます。
即日でアルバイト・パートを辞められる可能性もある
なかには「今日にでも仕事を辞めたい」と考えている方もいるでしょう。
その点、このページで紹介した「男の退職代行」「わたしNEXT<女性の退職代行>」を含めて、即日で退職できるよう交渉してくれるサービスもあります。
バイト先・パート先の人と顔を合わせず、会話もせず辞められる
人間関係が原因で、アルバイト・パートを辞めたいと考える人も少なくありません。自分で退職を申し出る場合は、当然ながら直属の上司や店長をはじめバイト先・パート先の人と顔を合わせることなります。
その点、退職代行サービスを使えば、上司や店長などと顔を合わせたり会話をしたりする必要なく退職できるのがメリットです。
有給があれば、有給を使って辞められる
アルバイトやパートの方にも、有給を取得できる可能性があることをご存じでしたか?
勤続期間が6ヵ月以上、なおかつ勤務日の8割以上しっかり出勤していれば、アルバイト・パートでも有給をとる権利があります。その上で取得できる有給の日数は、1週間で働いている日数や勤務期間によって以下の通り変わります。
1週間あたりの労働日数 | 1年間の労働日数 | 継続勤務期間 | |||
0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | ||
4日 | 169日~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 |
3日 | 121日~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 |
2日 | 73日~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 |
1日 | 48日~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 |
参照元:厚生労働省ホームページ
たとえば週3日勤務のアルバイトの方が、同じ職場で1.5年間継続して働いた場合、0.5年勤務した時点で5日、1.5年経過した時点で6日の有給がそれぞれ付与されるわけです。
その上で、1.5年経過時点で1日も有給を使っていなかった場合は、5日+6日=11日の有給が利用できるということになります。
労働組合型もしくは弁護士型の退職代行サービスであれば、退職する際に有給取得の交渉も可能です。
ただ弁護士型では成功報酬として、別途費用を請求される可能性もあるので注意して下さい。労働組合型は、基本的に追加料金なしで対応してくれます。
一方、一般型の退職代行サービスでは、有給取得を要求できない可能性が高いです。
退職代行を使うときの注意点
仮に退職代行を使ってアルバイト・パートを辞められても「はい、それで終わり。」ではありません。その他、以下にあげる対応が必要になることもあるので注意しましょう。
健康保険に加入していた場合は保険証を返却する
アルバイト・パート先の健康保険に加入している方もいるでしょう。その場合は、勤務先へ保険証を返却する必要があります。返却は郵送でも大丈夫です。
その他、貸与物があれば返却する
制服など勤務先から貸与されていたものがあれば、返却する必要があります。
仮に返却しなかった場合、その分の費用を最後の給料から差し引かれてしまう可能性もあるので注意しましょう。貸与物に関しても、手渡しでなく郵送でも問題ありません。
【要チェック】仮にバックレて辞めるとどうなる?
自分で退職すると会社に言わず、退職代行も使わずにバックレて辞めるのはおすすめしません。以下、その理由を1つずつ解説しますね。
訴訟に至る可能性は低い
「バックレて辞めるとバイト先から訴えられる可能性があるという情報をネットでみた」という方もいます。確かに、インターネットでは、そのように注意喚起しているウェブサイトもあるようです。
無断で辞めると会社やお店に損害を与える可能性があることから、確かに法律的に言うと民法709条の「不法行為」にあたると判断される可能性がないとは言えません。
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(財産以外の損害の賠償)
引用元:e-Gov
ただ実際には、アルバイトやパートが辞めてもそれほど大きな損害になる可能性は低く、その具体的な証明も困難な上に、裁判費用もバカになりませんから実際に訴えられる可能性は極めて低いです。
ただ、訴えられても仕方ないような行為なんだな、というのはあまり気持ちのいい話ではないですよね。
緊急連絡先などに連絡される可能性がある
アルバイトやパートで履歴書を渡した場合、緊急連絡先として実家の電話番号等を知らせている方も多いのではないでしょうか。
無断欠勤が続いている場合、事情を聞くためにその緊急連絡先などに上司が連絡するかもしれません。そうなると、家族や親などに無断欠勤の事実がバレることになります。
貸与物を返却しないと給料が引かれる可能性がある
バックレてお店や会社を辞めて、貸与物も返却しなかった場合、その費用を最後の給料から差し引かれる可能性があります。貸与物がある場合は、郵送でもいいので必ず返却するようにしましょう。
保険証を返却しないと?
もっと良くないのは会社やお店の健康保険に加入しているのに、無断欠勤で辞めて保険証を返却していないようなケースです。
本来であれば、会社やお店に保険証を返却して、そのあとに国民健康保険などに加入することになるわけですが、仮に保険証を返却していないと、国民健康保険に加入できない可能性があります。
公的な健康保険は二重で加入することができないからです。そうなると病院にかかるときに、保険証が使えず高い医療費を支払わなくてはなりません。
そのようなことがないように、保険証は必ず返却するようにしましょう。
後ろめたい思いをすることになる
これがバックれて辞めることの、一番大きなデメリットですね。無断欠勤を続けてバックれて辞めると、少なからず後ろめたい思いをすることになります。
街でバイト先の店長や同僚などと顔を合わせることもあるかもしれません。その時の気まずさといったら…。
それに、「あのときバックれて辞めたな」という思いは、後々まで残ってうしろめたさが消えないものです。そんな思いをしないですむように、きちんと退職することを告げて辞めるようにしましょう。
まとめ
アルバイトやパートの方でも退職代行を使ってお店や会社を辞めることができます。
ただし退職代行の需要が急増した昨今、あやしい業者も増えているので注意しましょう。そのような業者に依頼したせいで、お金を払ったのに辞められなかったなどのトラブルも増えています。
アルバイトやパートの方が退職代行を依頼する場合、実績と人気のある業者に依頼するのが安全でおすすめです。なかにはアルバイト・パートの方向けに安い価格で退職代行を承っているサービスもあります。